時代の最底辺で最先端に右へならえ - 2006/01/06

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2006年1月
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のぉら自伝(?)。ネカマの存在は、自分がネカマることで知りましたw Lineageメインキャラ

――振り向けば、暗く生い茂る木々の向こうに母なる木が見える気がした。
月すら見えぬ暗闇を、それでも少女は一人歩く。
振り向くことなく、迷うことなく。
厚く拡がるエルフの森も、この河でようやく終わりを得る。橋を超えれば人の棲み、精霊の棲まぬ大地があろう。
身近に精霊を感じられなくとも。母なる大樹に護られていなくとも。
未だ見ぬ荒野を望み。悪しきを怖れず。
一歩一歩を重ねていく。

森を抜け、砂地を進み、橋のたもとに手をついて。少女はようやく歩みを止める。
それでももはや振り向かず。ただ伏し目がちに睫毛を絡め、
「――ながいあいだ。おせわに・・・・・・なりました。」
囁くように。噛み締めるように。
河の音さえ聞こえぬ暗闇に、しかしその声は広がることなく溶けて消えた。

 * * *

旅立ちを決意させたのは、一人の魔法使いとの出会いだった。
実質的なレベル上限にも近く、今は見たことのない土地を巡り旅をしている途中だと言っていた。
殆ど断片的な風聞でしか知らなかった"外"の世界について、彼は事細かに語ってくれた。
幼い時分にかえったかのように、もっと、もっととせがむ自分に嫌な顔一つせず語ってくれた。
今までに外のことを知るチャンスは、ましてや外の住人と接触するチャンスはほぼ皆無だった。
精霊や守護者の類によって護られるこの森に人が足を踏み入れることは滅多になく、また逆にエルフが外に出ることも決して多いことではなかった。
冒険者となったエルフが外に出ることを除いて。
そしてそこで初めて。
どこまでも続くと思っていた森も、終わりがあるのだと知った。

祝福されたテレポートの巻物も、そのときに初めて見たのだと思う。
少しだけ、外を見てみるかい?と問われ、おそるおそるもついていくことにした。
転送から視界があけると、そこには異世界があった。
自分が知っているものなど何一つ無かった。
金属はただひたすらに冷たく、見た目は似ていてもミスリルとは根本的に異なるものだった。
建物は確かに植物・・・木でつくられたものだったが、エルフはあの様に傷つけ切り裂いたりはしない。
路傍に咲く花でさえ、自分の呼びかけに答えてはくれない。フェアリーなど気配すら感じられなかった。
さらに町を一歩でも出れば、異形のモンスターが全ての物陰に潜んでいるような気がした。
怖れを抱いた。
だがそれと同時に、今まで感じたことのない高揚感が心に芽生えた。
木々によって視界を遮られることのない、初めて見る地平線。
想像したことすらない程の人の数が作り上げる社会という概念。
そしてその人の数が作り出す音、音、音。
どんなに見上げても、なお頂点を見ることが出来ない巨大な建造物。
ああ、なんてもったいない。
これまでの人生を全てエルフの森で過ごし、世界の全てを知った気になっていた。
だがどうだろう?"外"を見て、まだ1時間とたっていないというのに。
今まで見てきたものよりずっと多くのものを見、ずっと多くのおとを聞いているではないか。
視覚聴覚だけではない。かぜはただやさしくそよぐだけに非ず、日差しはただぬくもりを与えるだけに非ず。
むしろ精霊を感じられないからこそ、自分自身が感じられるものがこんなに多くあっただなんて。
――もっと、しらないせかいに出会いたい。
町の入り口にたちつくしたまま、少女は呆然と――しかし芯を感じさせる語調で、言った。
「わたし、冒険者になります。」



つーことで書こうと思ったらこの10倍以上書くことはあるけど、もう眠いのでいったんうちきりー
また気が向いたら書くおー